日本では相変わらず幼児の英語教育やSTEM教育(S:Science (科学)T:Technology(技術)E:Engineering (工学)M:Mathematics (数学)の分野を総称した言葉)が話題になっていますが、今回はアメリカで教育に携わる私が日本の子供達に必要なもの、スキルについてお話ししたいと思います。
幼児の英語教育は必要なし
アメリカの研究では7~8歳までの子供達に一番大切なものは沢山の本に触れて「思考力」を身に付ける事と言われています。小さな頃からの絵本の読み聞かせや自分で本を読むことを習慣付けて思考力を身につけた子供ほど高等教育に進学する確率が高いと研究結果が出ています。
これは母国語の話で外国語ではありません。母国語での理解力がとても大事な時期なのでその取り組みと同時に外国語を学ぶ事が優先的なものかというと決してそうではありません。外国語は小学校高学年になってからでも十分マスターできます。
幼児期から英語の習得が必要なのは既に外国への移住、転勤などが決まっていたり、親がその言葉を母国語として話す場合です。その場合には小さな頃からその言語に触れることは良いことだと思います。
ただし、日本に生まれ育った両親のもとで暮らしている子供たちの場合その子供達が社会に出て英語を使いながら仕事をしたり日本に住みながら英語が必要な割合はどの位でしょう?恐らく9割の人間は英語を使わずに暮らし、仕事をしていると思います。
自分は英語が話せないので是非子供には話せるようになってほしいと願う親御さんは多いと思いますが、何故子供達が小さな頃から英語を学ばなければいけないのか・・・ということを今一度考えてみてください。
もし答えが海外旅行に行った時に英語ができた方がより良い、日本にいる外国人と交流できるようになって欲しい、英語を学んで将来の可能性を広げて欲しい・・・などと願っているのであればお父さん、お母さんも子供と一緒に一から英語を学びましょう。 子供に自分の期待や希望を押し付けるのはNG。子供が興味を示さないものを強いったところでそれが必ず身につくかどうか・・・というのは疑問が残るところです。
お母さんも英語が話せればいいな・・・と思うから一緒にやってみよー!と子供に提案しての英語の勉強は大賛成です。そうする事によって楽しみも大変さも一緒に分かち合えモチベーションも維持できます。
毎週英語教室に通わせているのに今ひとつ話せるようにならないのよ・・・と思っている親御さんがいらっしゃったら「週に一度、年に48時間英語に触れさせたところで習得は無理」ということを気づくべきです。5年、10年と毎日のようにその言葉に触れていなければ語学は身につきません。
これからはe-learningが主流になる
Forbesに寄ると2020年までにe-learningの市場は32兆5000億円になると言われています。想像が付かないくらいの金額の話ですが、その位教育分野においては物凄いスピードで環境は変わっているのです。
日本はまだまだこの分野において遅れていますが、特にアメリカでは昔に比べると本当に手軽に手頃な値段で何でも学べるようになりました。有名な州立、私立大学などでも無料で講義を世界中に配信したりしています。
日本の子供達は何から始めれば良い?
では前置きはここまでにして具体的に日本の子供達が何から始めれば良いかお話しします。
1. 幼少期
先ほどお話ししたように、沢山の絵本、本に触れること。母国語の思考力の基礎をしっかり身に付けること。
英語に触れたい場合は気軽に観ることができるYoutubeのチャンネルをお勧めします。子供だけでなくお父さん、お母さんも一緒に観ながら英語でフレーズを言ったり歌を歌ったりしてみてください。
お勧めのチャンネルの一例
あいうえおフォニックス
アメリカに住むバイリンガルの兄弟が教えてくれるフォニックスの動画。発音の練習はこのチャンネルがお勧めです。日本語で説明してくれるので分かりやすいです。
Cocomelon Nursery Rhymes
アメリカの子供向けのチャンネル 6550万人の登録者がいる人気のチャンネルです。アルファベットソングや数を数えるような簡単な歌も覚えられます。
2. 小学生
母国語の日本語が低学年である程度習得できていると思うので、その後は物事を論理的に考える力や創造力を身に付ける訓練をすると良いと思います。
この時期にお勧めのもの
情熱大陸でも放映された宝槻 泰伸さんが立ち上げた東京三鷹にある探求学舎。勉強のやり方、問題の解き方、受験に受かる勉強は一切せずにその代わり、子どもたちが「好きなこと」「やりたいこと」を見つけることができるように、「もっと知りたい!」「やってみたい!」という興味の種をまき、ひとりひとりの探究心に火をつける、そんな興味開発型の学び舎。
私が120%共感する子供の教育がこれ。子供が伸び伸び、楽しそうに自分の意見を述べ、他の子供の意見を尊重して進む彼らの授業は大人の私でも本当に面白い!教室は三鷹にありますが、オンラインの授業もスタートしています。
大人になるまでに養いたい力は、テスト対策の科目別知識や設問の解き方ではなく、大切なことを「問い続ける力」「学び続ける力」をミッションに授業を提供する東京のスクール。
受け身の座学(知識入力=インプット)ではなく、子どもたちが自ら手を動かし、実践や創作などの 出力=アウトプットをすることを促す内容が特徴です。仕事をコンセプトにした授業からは、さまざまな職業領域におけるアウトプット手法を学ぶだけでなく、世にある情報を読み取り、解釈し、自分なりにアウトプットし続ける姿勢を養います。
社会人が本当に必要とする、生きる力を小学生の頃から学べる学習塾
*残念ながらオンラインの講座は無いようですがサマースクールも開講しているので地方の方でもその時期に参加は可能だと思います。
英語を学びたければ・・・
3. 中高生
中学生以上になったら、このくらいの時期から「自分がどんなものが好きでどんなものは嫌いで何だったら夢中になれるか・・・」ということを認識しているべき。単に学校の授業を受け身で受けているだけでは不十分。またこの時期から(または小学校高学年くらいから)世の中、社会はどのように動いているのか・・・なども学ぶべき。
日本はファイナンシャルリテラシー(お金の教育)が非常に遅れているので、その点を学べると社会に出てからも強いと思います。
この時期にお勧めのもの
本当はこれがお勧めです!というものがあれば良いのですが、残念ながら日本で提供されているものでこれ!というものが今ひとつありません。中高生は進学に向けての塾通いが主になってそのあとのキャリアプランニング・・・などに取り組めていないのが現状ですよね。起業家育成・・・みたいな講座も時々目にしますが単発の企業が体験型のものを提供していたり自治体が主催でやっていたり・・なかなか良いものが見つかりません。(泣)どなたか「これお勧めです!」というものがあればぜひ教えてください!
英語で理解できればCrash CourseというYoutubeのチャンネルにアントレプレナーシップ(起業家精神)の動画があるので観てみてください。子供の頃からこういうコンセプトに慣れると良いのですが、日本はまだまだです。
同じくCrash Courseのお金とファイナンスに関する動画です。
プログラミングは?
アメリカ生まれのUdemyという会社は幅広い分野のオンライン講座を手頃な値段で受けられます。日本のベネッセと提携しているので日本語で受講できるものもあります。
参考までに子供のプログラミングの講座が2つあるようですので、こちらからご覧ください。
その他にも下記はオンラインで受講できる講座のリストです。
https://www.thinker-school.jp/
https://online.codecampkids.jp/
http://nanairo-programming.com/
最後に・・・・私個人的な意見ですが、これからはどの大学を出ているか・・・という事はあまり意味がなく、社会に出るまでに既に何かスキルを身につけている子達が強い気がします。
学生時代に体験型ではなく本来の長期インターンシップで企業に勤める経験を得たり(卒業と同時にその会社に就職)、会社や事業の経営者と学生時代から関わることによりそこから仕事のチャンスが生まれます。
プログラマーなどはそのスキルがあるかが大事なのでそのスキルを身につけていれば世界中何処にいても仕事が出来、これからも需要が高いと思います。
アメリカのIT&ネット業界はプログラマー職の求人が圧倒的に多いです。
何れにしても「子供に寄り添う姿勢」がその子供の良いところを伸ばしてあげられる一番の方法です。